チュニジアやエジプトでの激震ともいえる政治的な出来事、ましてリビアやシリアで見られた抗議デモに対する衝撃的なまでに暴力的な対応を考えれば、モロッコなど、アラブ・イスラム世界の他の観光地の安全性に疑問を抱くのも無理はありません。現在この地域を席巻している変革の動きの最終的な結末を予測するのは無謀ですが、モロッコは最近の出来事の波からまったく無縁ではないものの、地理的にも政治的にも遠く離れた中東や北アフリカの他の国々とは異なる立場にあるといえます。多くのアラブ諸国での混乱が不安を呼び起こすのは当然ですが、そのほとんどは、アフリカの北西の端から実に遠く離れていることを忘れてはなりません。モロッコと中東・北アフリカの他の国々との違いを際立たせる重要な事実は、モロッコが議会制を持つ主権民主国家であるということです。若き国王(ムハンマド6世)は経済を前進させるべく尽力しており、汚職の一掃に取り組む姿勢によって尊敬を集めつつあります。