ハマムとはスチームバスのことで(アラビア語の「ハマム」は「熱い湯」を意味します)、ローマ時代から北アフリカ社会の特徴であり、何世紀も後にオスマン帝国によって、今日私たちが知るトルコ式風呂へと洗練されました。モロッコのハマムの起源は、7世紀初めのアラブ人のモロッコへの移住にさかのぼります。その目的は、もちろんほこりや汚れを洗い流すことですが、それと同じくらい大切なのが、心からくつろいだ状態になることです。癒やしのマッサージが続けばなおさらです。伝統的なハマムは通常、2~4つのつながったスチームルームからなり、次の部屋へ進むにつれて温度が上がり、約50℃に達します。一般に、ハマムは2つの部分に分かれます:
1) まずはスチームバスです。蒸気の効果を十分に体に取り込むこの熱い時間の後、熱いお湯で体を流し、さらに少し間をおいて、木のバケツから爽快な冷水をかけます!
2) 入浴の後はゴマージュです。まだ湿っている体を、オリーブとユーカリの葉から作られた黒いベルディ石けんでしっかりとこすります。塗ってから5分ほど置いた後、ちりめん状の粗い布でできた専用のあかすり手袋「ケッサ」を使って、石けんをしっかり泡立てながら、古い角質とともに体からこすり落とします。
3) ハマムの後には、厳選した地元産の植物オイルを使った、やさしく心地よいマッサージが理想的です。幅広いトリートメントの中からお選びいただくマッサージは、ハマムの料金には含まれていません。
マラケシュの伝統的なスパでの作法
水の無駄づかい ― 北方の国々よりもさらに水が貴重な国ですから、当然ながら、水の使いすぎは一般的に好ましく思われません。通常は係の人がバケツで熱いお湯と冷たい水をかけてくれますが、そうでない場合は、体を洗ってすすぐのに必要な分だけ水を使うようにしましょう。
服装 ― 伝統的なハマムで全裸になることは、女性用・男性用のどちらのハマムでも、一般的に失礼とされています。目安として、下着は着けたままにすることをおすすめします。その場合は、終わった後に着替える乾いた下着をお忘れなく。
交流:本来は体を清める場所ですが、伝統的なハマムは社交の場としても重要です。特に農村部の年配の女性は、多くの場合、男性よりも家にこもりがちなため、ハマムは近所の人たちと会っておしゃべりを楽しむ理想の場所とされています。同じように男性も、畑やほこりっぽい街での一日の重労働を終えた後、くつろぎと軽口、そしてさっぱりと体を洗うひとときを楽しみます。
公衆ハマムでは旅行者も歓迎され、必ずといっていいほど注目を浴びます。流れに身を任せ、その「特別待遇」を楽しみましょう。マラケシュの公衆ハマムでの体験は素晴らしいものです。存分に味わってください。
ちょっと刺激が強すぎる?
効能 ビタミンEが豊富で、抗菌作用と保湿作用を併せ持つ黒いベルディ石けんは、肌を奥から洗浄し、体内の毒素を取り除き、ケッサによるあかすりに備えて肌を柔らかくします。石けんの洗浄・保湿効果と、あかすりによる血行の促進が相まって、ゴマージュはトラブル肌や脂性肌のケアに役立ち、肌を柔らかく生き生きとさせ、その後のスキンケアの浸透も良くします。
ハマムの施術 通常は大理石張りの部屋で行われるハマムでは、熱いお湯と冷たい水を交互にかけた後、黒い「ベルディ」石けんでしっかりと体をこすります。そのほかの施術には、「ガスール」(粘土)やヘナのパック、「ガスール」のヘアトリートメント、そして少し休んだ後の、エッセンシャルオイルを使ったリラックスマッサージがあります。ただし、これらは伝統的なハマムの手順には含まれず、別料金となります。ハマムは素晴らしくリラックスでき、ストレスを効果的に和らげてくれるだけでなく、血行の改善をはじめ、体にさまざまな良い効果をもたらします。
アラブ世界のほとんどの場所と同じように、マラケシュは伝統的なハマムで有名で、その由緒ある効能を体験せずして、この街への訪問は完結しません。とはいえ、公衆ハマムの力強いあかすりは自分には向かないかもしれないと感じる方は、伝統的なスチームバスのプライベートで現代的な版を選ぶこともできます。当ホテルの大理石張りのスパ、ラルガニエのハマムがそのひとつで、力強いあかすりという体への刺激よりも、いわば「やさしく癒やす」ことに重きを置いています!